
令和7年度幹事長 河野上 正晴
~ご挨拶~
1899年に特許代理業者登録規制が施行され、138名の代理業者が登録されて以来、2025年には12,000人を超える弁理士の先生方が活躍するに至っています。
我々弁理士は、明治から大正、昭和、平成、令和と時代の変遷を経る中で、未来を信じ、熱い心を持って力強く、そして粛々と業務を遂行し、法令に則って誠実に産業界を支え、経済の発展に尽くして参りました。
弁理士春秋会は、1923年の創立以来、日本弁理士会の役員のみならず、附属機関や委員会の要職に数多くの人材を供給し、日本弁理士会の活動を支えてきました。一昨年には創立100周年を迎え、今や800名を超える仲間を擁する一大会派へと成長しております。
我々の活動の原動力は、強固な結束力にあります。その結束力を高めるためには、お互いに思いやりを持ち、オープンで風通しの良い、率直に意見を交わせる環境が重要です。
一昨年には、100周年を記念し、8月に家族参加型のディズニーランド、9月につま恋リゾート、11月には記念式典と祝賀会を開催しました。昨年2月には名古屋港水族館において東海春秋会イベントが行われました。いずれも100周年を記念するにふさわしい素晴らしいイベントであり、今年はその締めくくりとして、韓国研修旅行を4月24日から26日に予定しており、会員の結束力を一層深めることを期待しております。
近年、コーポレートガバナンス・コードへの知財の明記、大学・スタートアップにおける知財意識の高まり、さらには弁理士が登場するテレビドラマの放送など、知財や弁理士の社会的認知は着実に向上しています。
一方で、弁理士試験の受験者数は減少傾向にあり、若い世代からその将来性に不安の声があるのも事実です。しかし、知的財産は今や経営資源の中核であり、AIやDXの進展に伴い、これまでにない領域でも弁理士の知見が求められています。
弁理士は、クライアントの創意工夫を守り、価値創出を後押しする、極めて重要で夢のある専門職です。若手世代がこの職業に魅力と希望を見出せるよう、我々自身が誇りを持って挑戦を続け、活躍の場を広げていくことが求められています。
また、ライフスタイルや働き方の多様化が進む中で、組織も多様性を受け入れ、性別・世代・働く環境を問わず、誰もが尊重され、活躍できる場であるべきです。春秋会は、包摂的な組織づくりに努めるとともに、変化の激しい社会に対応できる柔軟で活力ある集団を目指します。
春秋会は、これまで以上にオープンで風通しの良い組織運営を心がけ、世代や立場を越えて率直に意見を交わせる環境づくりを推進してまいります。100周年を経た今こそ、これからの100年を見据えた「次世代への橋渡し」の時と捉え、若手弁理士の育成・支援にも力を入れてまいります。
長きにわたる先輩方の歩みに心から感謝するとともに、それを次の世代へ繋げていくことこそが、今を活動する我々の責務です。弁理士春秋会は、これからもさらなる成長を遂げ、新たな時代に対応した組織へと発展してまいります。
令和7年3月
弁理士春秋会 幹事長 河野上 正晴